
営業職や管理職としてキャリアを積んできた優秀な女性でも、出産・育児を機に仕事を手放さざるを得ないケースは今も後を絶ちません。習い事の送迎、保育園のお迎え時間、子どもが複数いることによるスケジュールの複雑化。こうした現実の壁の前では、フルタイムで働き続けることが難しくなり、「子育てでキャリアを諦めない」という思いがあっても、やむなく退職や休職を選ぶ女性は非常に多いのが現状です。
しかし、働き方の選択肢は会社員だけではありません。近年注目されている「ライバーマネージャー」という仕事は、女性管理職や営業職が培ってきたスキルをそのまま活かしながら、フルリモートで柔軟に働ける職種として、子育て中の女性から支持を集めています。
ライバーマネージャーとはどんな仕事か
ライバーマネージャーとは、ライブ配信を行うライバー(配信者)をサポートし、成長を促す仕事です。配信スケジュールの管理、目標設定のサポート、モチベーション維持のためのコミュニケーション、数値の分析と改善提案など、業務内容は多岐にわたります。
この仕事において特に重要なのは、コミュニケーション力よりも「聴く力」です。ライバーの悩みや不安を受け止め、適切なタイミングでアドバイスができる「聴き上手」な人が向いているとされています。接客業の経験がある方はもちろん、部下の育成経験がある管理職の方も非常に向いています。相手の状況を読み取り、適切にフォローするスキルは、ライバーマネジメントに直結するからです。
ライバーマネージャーに向いている人の特徴
ライバーマネージャーに向いている人には、いくつかの共通点があります。まず、相手の話をじっくり聴いて受け止められる傾向があること。次に、数字や目標管理が得意であること。そして、こまめな連絡・確認が苦にならないことです。
管理職経験者は、部下との1on1や目標管理、書類作成などの業務をこなしてきたため、ライバーマネジメントにも即戦力として対応しやすい素地を持っています。営業職経験者であれば、目標達成に向けた戦略立案や数値の追い方がそのまま活かせます。
副業としてのライバーマネージャー――働き方の現実
女性管理職の副業として、ライバーマネージャーを選ぶ際に知っておきたいのが、業務の時間帯です。ライバーの配信は夕方から深夜にかけて行われることが多く、週末のみの関わりでは、担当ライバーの配信をリアルタイムで確認することが難しくなります。
現実的な働き方としては、平日も就寝前の時間帯に配信を確認し、朝・昼・夜とこまめに連絡を取る形が一般的です。トータルで1日2時間程度が目安ですが、まとまった時間を確保するというよりも、隙間時間を活用しながらタイムリーに対応することが求められます。
そのため、スマートフォン一台で業務が完結するライバーマネージャーは、通勤中や家事の合間にも対応できる点が、子育て中の女性にとって大きなメリットです。ただし、担当できるライバーは自分が確認できる配信時間帯に合わせた人に限られるため、最初は担当人数を絞って無理なく始めることが重要です。
副業から転職へ――キャリアの積み上げ方
まずは現職を続けながら副業でライバーマネージャーを経験し、スキルを磨いてから転職を目指すルートは、リスクを最小限に抑えながらキャリアチェンジができる有効な手段です。
ライバーマネージャーとしての実績と経験を積めば、全国各地にあるライバー事務所への転職が現実的な選択肢になります。ライバー事務所はライバーの増加とともに全国的に需要が拡大しており、マネジメント経験のある人材は特に歓迎される傾向があります。
なお、ライバー事務所を自ら設立・独立するケースは、元ライバー出身者が多い傾向にあります。マネージャーとして数名を担当する段階では独立は難しいですが、転職先として既存のライバー事務所に加わることは十分に可能です。
子育てでキャリアを諦めないために
「子育てでキャリアを諦めない」ためには、従来の働き方の枠にとらわれない視野が必要です。ライバーマネージャーは、場所を選ばず、育児の隙間時間を活かして取り組めるという点で、子育て中の女性管理職・営業職にとって非常に相性のよい仕事です。
これまでのキャリアで身につけたコミュニケーション力、人材育成の経験、数値管理のスキルは、決して無駄になりません。働き方を変えることで、キャリアをゼロにするのではなく、新しい形で継続・発展させていくことができます。


